Candytuft.
こんなところで、会ってしまったのかと思った。
気だるげで猫背気味な高身長、太い黒縁の眼鏡。レンズの奥の、少し下がった目尻。
細くて、長い指。ひとさし指となか指で細い煙草を弄ぶ、その仕草まで。
あの人に、そっくりだった。
だから、ひとでごった返している新宿駅前の喫煙所で、その人から目が離せなくなった。
…怪しい以外の、なにものでもない。
いつのまにか、満タンだったiQOSの作動時間が半分まで減っている。ひとくちも吸っていないのに。
それほどに、似ていた。
自分がなにをしようとしていたか、忘れるくらいに。
気だるげで猫背気味な高身長、太い黒縁の眼鏡。レンズの奥の、少し下がった目尻。
細くて、長い指。ひとさし指となか指で細い煙草を弄ぶ、その仕草まで。
あの人に、そっくりだった。
だから、ひとでごった返している新宿駅前の喫煙所で、その人から目が離せなくなった。
…怪しい以外の、なにものでもない。
いつのまにか、満タンだったiQOSの作動時間が半分まで減っている。ひとくちも吸っていないのに。
それほどに、似ていた。
自分がなにをしようとしていたか、忘れるくらいに。
< 1 / 6 >