極上の彼女と最愛の彼 Vol.2 〜Special episode〜
(参った。本当に参った。惚れるわー。もう俺、冴島さんにゾッコンだわ)

取材を終えて局に戻ると、倉木はデスクでしみじみと大河のインタビューを思い返していた。

テレビに映る仕事をしている自分も、色々な批判を受けることがある。

アナウンサーとしての技術的なことならまだしも、なんか顔が変だ、とか、雰囲気が嫌だ、といった意見には、どうしたものかと頭を悩まされていた。

もちろん応援してくれる人も多いが、どうしても批判的な言葉の方に気を取られてしまう。

だが、今日の大河のインタビューを聞いて、いかに自分がちっぽけな人間であったかを思い知らされた。

(あの冴島さんでも、批判的な意見を言われるんだ。それなのに冴島さんは、恨んだり嘆いたりせず、ただ静かに受け止めている。どんなご意見もその方の真実、か。すごい言葉だな。批判にさらされても心折れたりせず、自分の信念を強く持って凛としている。見た目も中身も、抜群にかっこいい。あんな人、本当に存在するんだな)

自分の目指すべき生き方がはっきりと分かった気がして、倉木は勇気が湧いてきた。

(よし、俺も冴島さんを見習おう。冴島さんの背中を追いかけて、もっともっと成長しよう)

信じられる存在のありがたさに、倉木は心から嬉しくなった。
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