極上の彼女と最愛の彼 Vol.2 〜Special episode〜
第六章 緊張と笑いの収録
やってきた収録当日。
倉木が本番前にスタジオでリハーサルをしていると、まだ入り時間ではないハルが、そっと辺りをうかがうように入って来るのが見えた。
キリがいいところで倉木は席を外し、スタジオの隅にいるハルのもとへ行く。
「谷崎さん、こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「あ、こ、こんにちは。こちらこそ、よろしくお願いいたします。あの、倉木さん。先日は本当にありがとうございました。こちらをお返しします。お気に召すか自信はありませんが、受け取っていただけますと幸いです」
「ありがとうございます。ではありがたく受け取らせていただきます」
ギクシャクと硬い動きのハルから、薄くて四角い箱を受け取ると、倉木はそれを内ポケットに入れた。
周りの目がある為、すぐさま頭を下げて二人は別れる。
やがて収録の本番が始まった。
「それではゲストの方をご紹介しましょう。まずは、水曜夜9時から放送のドラマ『悲しみの果て』にご出演中の、谷崎 ハルさんです」
女性アナウンサーに紹介され、「こんばんは。よろしくお願いします」とハルが挨拶する。
「えー、ドラマはまだ始まったばかりですが、既にたくさんのNGシーンを頂いております。まずは、谷崎 ハルさんのおちゃめなNG、10連発です。どうぞ!」
カメラに向かって手を差し出しながら、倉木は、10連発って!と心の中で突っ込む。
流れ始めたVTRを、興味津々で見つめた。
倉木が本番前にスタジオでリハーサルをしていると、まだ入り時間ではないハルが、そっと辺りをうかがうように入って来るのが見えた。
キリがいいところで倉木は席を外し、スタジオの隅にいるハルのもとへ行く。
「谷崎さん、こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「あ、こ、こんにちは。こちらこそ、よろしくお願いいたします。あの、倉木さん。先日は本当にありがとうございました。こちらをお返しします。お気に召すか自信はありませんが、受け取っていただけますと幸いです」
「ありがとうございます。ではありがたく受け取らせていただきます」
ギクシャクと硬い動きのハルから、薄くて四角い箱を受け取ると、倉木はそれを内ポケットに入れた。
周りの目がある為、すぐさま頭を下げて二人は別れる。
やがて収録の本番が始まった。
「それではゲストの方をご紹介しましょう。まずは、水曜夜9時から放送のドラマ『悲しみの果て』にご出演中の、谷崎 ハルさんです」
女性アナウンサーに紹介され、「こんばんは。よろしくお願いします」とハルが挨拶する。
「えー、ドラマはまだ始まったばかりですが、既にたくさんのNGシーンを頂いております。まずは、谷崎 ハルさんのおちゃめなNG、10連発です。どうぞ!」
カメラに向かって手を差し出しながら、倉木は、10連発って!と心の中で突っ込む。
流れ始めたVTRを、興味津々で見つめた。