極上の彼女と最愛の彼 Vol.2 〜Special episode〜
「いえーい、特等席だね!綺麗な夜景を見ながら、ここでのんびりしようよ」
そう言って透は、ビュッフェカウンターからたくさんの料理を盛り付けてきて瞳子と泉の前に並べた。
「お嬢様方、どうぞ」
「ありがとうございます!透さん」
瞳子はにっこり微笑むと、泉と顔を見合わせて、美味しそうに料理を食べ始める。
大河は挨拶回りで会場に戻ったが、瞳子はそのままテラスで皆と過ごした。
「泉さんのお仕事も、こういうパーティーはあるんですか?」
「時々あるけど、こんなに華やかではないわよ。みーんなスーツでおじさんがほとんどだし」
「そうなんですね。そんな中でお綺麗な泉さん、注目されるでしょうね」
すると洋平が、ギクリと顔を上げる。
「泉、そうなの?」
「そんなことないわよ。それにみんな弁護士だから、セクハラですか?って言えば、ピタッと辞めるしね」
「え、辞めるってことは、されそうになるんだ?」
「大丈夫だってば。お酒注いだ時に、少し肩を抱かれるくらいよ」
抱かれるくらい?って!と、洋平は憤る。
「まだまだ男社会だもの、それくらいは覚悟してるわよ。軽く受け流す度量がないと、やっていけないしね」
泉がそう言うが、洋平はうつむいたままだった。
「大丈夫だってば!家に帰って洋平が抱きしめてくれたら、ケロッと忘れるから」
「泉…」
洋平は隣から腕の伸ばして泉を抱きしめる。
「いつだって抱きしめる。だけど、なるべくパーティーは控えて。赤ちゃんもいるし、ほんの少しでも君に嫌な思いをして欲しくないから」
「洋平…。そうね。妊娠を公表して、もうパーティーは控えるわ。出産後も子育てを理由に、極力行かないようにする」
「うん。ありがとう、泉」
笑顔で頷き合う二人に、瞳子も、良かったと微笑む。
「くうー、いいなあ。あの洋平がこんなになるなんて。俺も早く結婚したいー!」
二人のラブラブぶりに、吾郎が堪らず声を上げた。
「神様ー、俺にも幸せを!」
両手を組んで拝む吾郎に、透は、あはは!と笑っている。
「透、お前はうらやましくならないのか?お前だって、未だに独り身だろ?」
「そうだけど。幸せそうなアリシア達を見てると癒やされるからね。それで満足さ」
「は?一体、どういう神経してんだ?」
吾郎が眉根を寄せる横で、透は、そう言えば…と、ジャケットの内ポケットに手を入れた。
「アリシア、ちょっと君に頼みたいことがあるんだ」
そう言って、DVDを瞳子に差し出す。
「これは?」
「二人の結婚式の映像なんだ。この間大河に渡したものとは、ちょっと編集を変えてある。アリシアの事務所に、由良ちゃんって子がいるだろう?」
「え?はい、いますけど…」
「君さえ良ければ、彼女に渡してくれる?」
「ええ…、分かりました」
なんだか腑に落ちない様子のまま、瞳子はDVDを受け取る。
ケースには『由良ちゃんへ』と書かれており、透の名刺が挟んであった。
「結婚式の時に彼女と少し会話してね。そしたらこの間、偶然バーで再会したんだ。アリシア達の結婚式の動画を編集してるって話をしてて、アリシアに聞いて大丈夫なら、見せてあげるって言ったんだ」
「そうだったんですか、分かりました。必ず渡しますね。ありがとうございます、透さん」
「うん、よろしくね」
透は、にこっと瞳子に笑いかけた。
そう言って透は、ビュッフェカウンターからたくさんの料理を盛り付けてきて瞳子と泉の前に並べた。
「お嬢様方、どうぞ」
「ありがとうございます!透さん」
瞳子はにっこり微笑むと、泉と顔を見合わせて、美味しそうに料理を食べ始める。
大河は挨拶回りで会場に戻ったが、瞳子はそのままテラスで皆と過ごした。
「泉さんのお仕事も、こういうパーティーはあるんですか?」
「時々あるけど、こんなに華やかではないわよ。みーんなスーツでおじさんがほとんどだし」
「そうなんですね。そんな中でお綺麗な泉さん、注目されるでしょうね」
すると洋平が、ギクリと顔を上げる。
「泉、そうなの?」
「そんなことないわよ。それにみんな弁護士だから、セクハラですか?って言えば、ピタッと辞めるしね」
「え、辞めるってことは、されそうになるんだ?」
「大丈夫だってば。お酒注いだ時に、少し肩を抱かれるくらいよ」
抱かれるくらい?って!と、洋平は憤る。
「まだまだ男社会だもの、それくらいは覚悟してるわよ。軽く受け流す度量がないと、やっていけないしね」
泉がそう言うが、洋平はうつむいたままだった。
「大丈夫だってば!家に帰って洋平が抱きしめてくれたら、ケロッと忘れるから」
「泉…」
洋平は隣から腕の伸ばして泉を抱きしめる。
「いつだって抱きしめる。だけど、なるべくパーティーは控えて。赤ちゃんもいるし、ほんの少しでも君に嫌な思いをして欲しくないから」
「洋平…。そうね。妊娠を公表して、もうパーティーは控えるわ。出産後も子育てを理由に、極力行かないようにする」
「うん。ありがとう、泉」
笑顔で頷き合う二人に、瞳子も、良かったと微笑む。
「くうー、いいなあ。あの洋平がこんなになるなんて。俺も早く結婚したいー!」
二人のラブラブぶりに、吾郎が堪らず声を上げた。
「神様ー、俺にも幸せを!」
両手を組んで拝む吾郎に、透は、あはは!と笑っている。
「透、お前はうらやましくならないのか?お前だって、未だに独り身だろ?」
「そうだけど。幸せそうなアリシア達を見てると癒やされるからね。それで満足さ」
「は?一体、どういう神経してんだ?」
吾郎が眉根を寄せる横で、透は、そう言えば…と、ジャケットの内ポケットに手を入れた。
「アリシア、ちょっと君に頼みたいことがあるんだ」
そう言って、DVDを瞳子に差し出す。
「これは?」
「二人の結婚式の映像なんだ。この間大河に渡したものとは、ちょっと編集を変えてある。アリシアの事務所に、由良ちゃんって子がいるだろう?」
「え?はい、いますけど…」
「君さえ良ければ、彼女に渡してくれる?」
「ええ…、分かりました」
なんだか腑に落ちない様子のまま、瞳子はDVDを受け取る。
ケースには『由良ちゃんへ』と書かれており、透の名刺が挟んであった。
「結婚式の時に彼女と少し会話してね。そしたらこの間、偶然バーで再会したんだ。アリシア達の結婚式の動画を編集してるって話をしてて、アリシアに聞いて大丈夫なら、見せてあげるって言ったんだ」
「そうだったんですか、分かりました。必ず渡しますね。ありがとうございます、透さん」
「うん、よろしくね」
透は、にこっと瞳子に笑いかけた。