極上の彼女と最愛の彼 Vol.2 〜Special episode〜
「すみません!私、倉木さんにお渡ししたハンカチとお揃いの物を勝手に持っていて…。気分良くないですよね?本当に申し訳ありせんでした」
しばらく沈黙が続き、ハルがますます身を固くした時、倉木のためらいがちな声がした。
「それなら、俺も謝らなきゃな」
え?とハルは顔を上げる。
「このハンカチを拾った時、すぐに君のことを思い出した。俺にプレゼントしてくれたハンカチと、お揃いの物を持ってくれてるんだって、嬉しくなったんだ。勝手に喜んでごめん。気分いいものではなかったかな?」
「…はい?」
ハルは思考回路が止まったように、何も考えられなくなる。
「どうしてですか?私がお揃いのハンカチを持っていると、なぜ倉木さんが嬉しく…?」
「んー、そうだな。多分、君と同じ理由だと思う。君が俺とお揃いのハンカチを持っている理由と」
「私の理由ですか?それはだって、私、倉木さんが…」
好きだから、と言いそうになり、慌てて口をつぐむ。
「いやいや、絶対に同じ理由ではないですよ」
「どうして?」
「だって、あり得ないからです」
「俺が君を好きなことが?」
サラリと口にする倉木に、思わずハルは目を見開いた。
「く、倉木さん。いったい何を…」
「ハンカチがお揃いなら、気持ちもお揃いだと思ったんだけどな。違った?」
「え、えっと、何が?」
「俺が君を好きだって気持ち。君とお揃いじゃない?」
倉木に真っ直ぐに見つめられ、ハルは考えるよりも先に言葉にしてしまう。
「私も、あなたが好きです」
「そっか。それならやっぱりお揃いだ。良かった」
嬉しそうに笑いかけてくる倉木に、ハルはただポーッと見とれる。
「また連絡するね。お疲れ様、気をつけて帰って」
「え?あ、はい」
まるで何事もなかったかのようなやり取りに戻り、シュルシュルとハルの気持ちがしぼんでいく。
(あれ?さっきのは空耳だったのかな…)
確か、俺が君を好きで、私もあなたが好きで…みたいな話、しなかったっけ?
ハルが首をひねっていると、ドアに向かおうとした倉木が思い出したように振り返った。
ハルのすぐ前まで来ると、身を屈めて耳元で囁く。
「今日からよろしくね。俺の彼女さん」
「はっ?!」
思わず素っ頓狂な声を出してしまい、ハルは真っ赤になる。
そんなハルにクスッと笑うと、倉木はハルの左の頬に軽くキスをした。
「じゃあね」
手を挙げて部屋を出て行く倉木を呆然と見送ったハルは、慌てて両手で左頬を覆う。
「ど、どうしよう。もう左のほっぺた洗えない」
倉木の唇の感触を思い出し、夢じゃないよね?と自分に確かめ、ハルは顔を真っ赤にしたまま立ち尽くしていた。
しばらく沈黙が続き、ハルがますます身を固くした時、倉木のためらいがちな声がした。
「それなら、俺も謝らなきゃな」
え?とハルは顔を上げる。
「このハンカチを拾った時、すぐに君のことを思い出した。俺にプレゼントしてくれたハンカチと、お揃いの物を持ってくれてるんだって、嬉しくなったんだ。勝手に喜んでごめん。気分いいものではなかったかな?」
「…はい?」
ハルは思考回路が止まったように、何も考えられなくなる。
「どうしてですか?私がお揃いのハンカチを持っていると、なぜ倉木さんが嬉しく…?」
「んー、そうだな。多分、君と同じ理由だと思う。君が俺とお揃いのハンカチを持っている理由と」
「私の理由ですか?それはだって、私、倉木さんが…」
好きだから、と言いそうになり、慌てて口をつぐむ。
「いやいや、絶対に同じ理由ではないですよ」
「どうして?」
「だって、あり得ないからです」
「俺が君を好きなことが?」
サラリと口にする倉木に、思わずハルは目を見開いた。
「く、倉木さん。いったい何を…」
「ハンカチがお揃いなら、気持ちもお揃いだと思ったんだけどな。違った?」
「え、えっと、何が?」
「俺が君を好きだって気持ち。君とお揃いじゃない?」
倉木に真っ直ぐに見つめられ、ハルは考えるよりも先に言葉にしてしまう。
「私も、あなたが好きです」
「そっか。それならやっぱりお揃いだ。良かった」
嬉しそうに笑いかけてくる倉木に、ハルはただポーッと見とれる。
「また連絡するね。お疲れ様、気をつけて帰って」
「え?あ、はい」
まるで何事もなかったかのようなやり取りに戻り、シュルシュルとハルの気持ちがしぼんでいく。
(あれ?さっきのは空耳だったのかな…)
確か、俺が君を好きで、私もあなたが好きで…みたいな話、しなかったっけ?
ハルが首をひねっていると、ドアに向かおうとした倉木が思い出したように振り返った。
ハルのすぐ前まで来ると、身を屈めて耳元で囁く。
「今日からよろしくね。俺の彼女さん」
「はっ?!」
思わず素っ頓狂な声を出してしまい、ハルは真っ赤になる。
そんなハルにクスッと笑うと、倉木はハルの左の頬に軽くキスをした。
「じゃあね」
手を挙げて部屋を出て行く倉木を呆然と見送ったハルは、慌てて両手で左頬を覆う。
「ど、どうしよう。もう左のほっぺた洗えない」
倉木の唇の感触を思い出し、夢じゃないよね?と自分に確かめ、ハルは顔を真っ赤にしたまま立ち尽くしていた。