極上の彼女と最愛の彼 Vol.2 〜Special episode〜
「きっと結婚式では、君への想いが溢れてどうしても熱いキスになりそうだよ。でも今は、心から君を大切に想ってキスを贈りたい」
そう言うと由良の髪に手をくぐらせ、透はゆっくりと顔を寄せていく。
由良の潤んだ瞳に見つめられ、透の心はキュッと切なく傷む。
やがて由良がそっと目を閉じ、透はその可愛らしい顔に一瞬微笑んでから、優しく甘く唇を重ねた。
うっとりと身を委ねてくる由良を抱きしめ、透は愛を込めて長い長いキスを贈る。
ようやく身体を離すと、由良はふう、と吐息を洩らして、照れたように赤い顔でうつむいた。
「大好きだよ、由良」
もう一度抱きしめ、耳元でそう囁いた時だった。
由良が急にピタリと身体を固くして、透の顔を見上げる。
「え?どうかした?」
驚いた透が慌てて尋ねると、由良の顔からはさっきまでの可愛らしい表情が消えていた。
「透さん、なんでいきなり体育会系なの?」
「……は?」
透が間の抜けた声で聞き返す。
「せっかく胸キュンのシーンだったのに、いきなり『由良』なんて呼ぶんだもん。部活の顧問の先生思い出しちゃった」
「ええ?!君、顧問の先生とつき合ってたの?」
「は?なんでそうなるの?」
「だって、顧問の先生が下の名前を呼び捨てにするなんて。苗字を呼び捨てにするなら分かるけど」
「いや、だから。苗字を呼び捨てにされてましたよ?」
「なんて?」
「だから『由良』って」
へ?と、またもや透は間抜けな声を出す。
「由良って、君の苗字なの?」
「そうですよ。初めて会った時に、由良と申しますって挨拶したでしょ?」
「ええー?いや、俺、てっきり下の名前だとばっかり…」
「初対面の人に下の名前で挨拶なんてしないでしょ?私、そんなに軽いキャラに見えました?」
「いや、違うけど。由良って苗字の人、会ったことなかったから」
「確かに珍しいですよね。田中ですって名乗ったら、すぐに苗字だと思ってもらえるでしょうけど」
そうそう、と透は頷く。
「じゃあ、君の下の名前は?」
「亜由美です。フルネームは、由良 亜由美」
「亜由美ちゃんかー!なんか新鮮だな」
透はじっと顔を見つめながら、亜由美、亜由美と繰り返し呟く。
「うん!しっくり来た。可愛い名前だね、亜由美」
「ふふっ、ありがとう、透さん」
二人は笑顔で見つめ合うと、今度はチュッと可愛らしいキスをして微笑んだ。
二人の周りを、ハートマークを挟んだ恋する鯉が、ゆらゆらと泳いでいた。
そう言うと由良の髪に手をくぐらせ、透はゆっくりと顔を寄せていく。
由良の潤んだ瞳に見つめられ、透の心はキュッと切なく傷む。
やがて由良がそっと目を閉じ、透はその可愛らしい顔に一瞬微笑んでから、優しく甘く唇を重ねた。
うっとりと身を委ねてくる由良を抱きしめ、透は愛を込めて長い長いキスを贈る。
ようやく身体を離すと、由良はふう、と吐息を洩らして、照れたように赤い顔でうつむいた。
「大好きだよ、由良」
もう一度抱きしめ、耳元でそう囁いた時だった。
由良が急にピタリと身体を固くして、透の顔を見上げる。
「え?どうかした?」
驚いた透が慌てて尋ねると、由良の顔からはさっきまでの可愛らしい表情が消えていた。
「透さん、なんでいきなり体育会系なの?」
「……は?」
透が間の抜けた声で聞き返す。
「せっかく胸キュンのシーンだったのに、いきなり『由良』なんて呼ぶんだもん。部活の顧問の先生思い出しちゃった」
「ええ?!君、顧問の先生とつき合ってたの?」
「は?なんでそうなるの?」
「だって、顧問の先生が下の名前を呼び捨てにするなんて。苗字を呼び捨てにするなら分かるけど」
「いや、だから。苗字を呼び捨てにされてましたよ?」
「なんて?」
「だから『由良』って」
へ?と、またもや透は間抜けな声を出す。
「由良って、君の苗字なの?」
「そうですよ。初めて会った時に、由良と申しますって挨拶したでしょ?」
「ええー?いや、俺、てっきり下の名前だとばっかり…」
「初対面の人に下の名前で挨拶なんてしないでしょ?私、そんなに軽いキャラに見えました?」
「いや、違うけど。由良って苗字の人、会ったことなかったから」
「確かに珍しいですよね。田中ですって名乗ったら、すぐに苗字だと思ってもらえるでしょうけど」
そうそう、と透は頷く。
「じゃあ、君の下の名前は?」
「亜由美です。フルネームは、由良 亜由美」
「亜由美ちゃんかー!なんか新鮮だな」
透はじっと顔を見つめながら、亜由美、亜由美と繰り返し呟く。
「うん!しっくり来た。可愛い名前だね、亜由美」
「ふふっ、ありがとう、透さん」
二人は笑顔で見つめ合うと、今度はチュッと可愛らしいキスをして微笑んだ。
二人の周りを、ハートマークを挟んだ恋する鯉が、ゆらゆらと泳いでいた。