甘々とロマンス中毒
「ハンバーグ得意だから任せてください。頑張ります」

そう意気込むと「一咲は頑張り屋さんで偉いな」と、褒めてくれた。嬉しいのに照れくさくて、鼻の先がちょこんって赤くなってるような。

高まる熱が冷めず、視界がぽやんとしている。


「また作ってもらえんの嬉しい」

あやちゃんの余裕な笑みが更に深まった。

「ハ、ハイ。喜んでもらえるように、がんばらます。頑張りますっ(噛んじゃった)」

不意打ちの雪村あやみ、恐るべし。

𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃♡

ほろ甘いアイスココアを飲みながらお話をする。

「髪、染めたのはいつですか?」
「前に出てたドラマのあやちゃんが、かっこよくてドキドキしました」
「大学の勉強は難しいですか?」

聞きたいことがたくさんあって、まとまらない。

こんなに質問して、話して、はしゃぎすぎてないかな?内心で首を傾げながら、少し不安だったけど、嫌な顔をせず優しく掬ってくれるあやちゃんに、ぽかぽかと胸があったかくなる。

・髪はこの間までプリンで、染めたのは先週
(わ〜、あやちゃんのプリン見たかったな)

・撮影は大変。その分やりがいもあるし、良い勉強になったんだって
(あやちゃん、朝弱いのに寝坊しなかったんだ)

・法学部は課題が多いけどそつなくこなしてるらしい

忘れないよう、心のメモに書き残すの。


「菖とは相変わらず?アイツ元気にしてんの?」

「ん"っ!」


突然降ってきた菖くんの名前に、アイスココアを飲み込んだ。
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