甘々とロマンス中毒
会える時間が減って、しゅんとしてる私に
あやちゃんは魔法をかけてくれた。
໒꒱·̩͙
中2の冬休みのこと。
休暇で、久しぶりに雪村家に帰って来たあやちゃん。
菖くん情報を何日も前から聞きつけてた私は、あやちゃんに可愛いって思われたくて。褒めてほしくて。
メイクを頑張って、髪を巻く練習もして、服も考えて。いざ、あやちゃんに会うと恋心に溺れた。
イメージトレーニングした言葉は、あやちゃんの隣にいるだけで緊張に襲われて、私は口を噤んだままだった。伝えれたのは、あやちゃんが帰る直前。
『今日は、あやちゃんと一緒にいれて、楽しかったです』
ぷしゅうと、甘ったるい熱を漏らす私に、あやちゃんは玄関先で告げる。
『一咲、俺たちはケセラセラだから』
『けせ…ら、せら?どんな意味があるの?』
『“なるようになる”』
涼しげな目元が穏やかな弧を描いて、微笑んだ。
掌で転がる小さな悩みも、あやちゃんから貰った宝物を抱きしめて寂しく泣いた夜も、全部救われる。心が晴れてく。
私たちの年の差も、距離もケセラセラなんだ。
「ンン〜〜…あやちゃ…お腹、いっぱい。ふふ」
薄らと意識が現実世界に引き戻される。
身体は冷気に当てられ、ひんやりとしてるのに、指先だけはほんのりあったかくて。誰かの熱を分け合ってるみたい。
あったか、きもちいー…。
『一咲、もう少し寝ていいよ』
重たかった瞼が開きかかったけど、また深い眠りに落ちてしまった。目が覚めたのは、17時過ぎだった。
あやちゃんは魔法をかけてくれた。
໒꒱·̩͙
中2の冬休みのこと。
休暇で、久しぶりに雪村家に帰って来たあやちゃん。
菖くん情報を何日も前から聞きつけてた私は、あやちゃんに可愛いって思われたくて。褒めてほしくて。
メイクを頑張って、髪を巻く練習もして、服も考えて。いざ、あやちゃんに会うと恋心に溺れた。
イメージトレーニングした言葉は、あやちゃんの隣にいるだけで緊張に襲われて、私は口を噤んだままだった。伝えれたのは、あやちゃんが帰る直前。
『今日は、あやちゃんと一緒にいれて、楽しかったです』
ぷしゅうと、甘ったるい熱を漏らす私に、あやちゃんは玄関先で告げる。
『一咲、俺たちはケセラセラだから』
『けせ…ら、せら?どんな意味があるの?』
『“なるようになる”』
涼しげな目元が穏やかな弧を描いて、微笑んだ。
掌で転がる小さな悩みも、あやちゃんから貰った宝物を抱きしめて寂しく泣いた夜も、全部救われる。心が晴れてく。
私たちの年の差も、距離もケセラセラなんだ。
「ンン〜〜…あやちゃ…お腹、いっぱい。ふふ」
薄らと意識が現実世界に引き戻される。
身体は冷気に当てられ、ひんやりとしてるのに、指先だけはほんのりあったかくて。誰かの熱を分け合ってるみたい。
あったか、きもちいー…。
『一咲、もう少し寝ていいよ』
重たかった瞼が開きかかったけど、また深い眠りに落ちてしまった。目が覚めたのは、17時過ぎだった。