甘々とロマンス中毒
———昨日、連絡したやつ
に、身に覚えはなく、いつの間にか『雪村さん』から『あやみくん』となった呼び方に、眉を顰めた。…この人、なんの話してんの…?
一方通行なお喋りに黙り込んでいると、両手に持った紙袋を差し出された。
「ここのマカロンなかなか手に入らないんですよ。朝イチで並んで買ってきました、紅茶もあります」
彼女が近寄る。その圧に、更に眉根が寄る。
「あやみくんの好きなストロベリーティー。いつも飲んでたよね」
上手い具合に敬語とタメを使いわけ、にこっと笑った。「そうでしたっけ」と素っ気ない態度で答たが、相手は手強く、引かない。
「ドラマの差し入れで貰ってから、気に入ってたよ。それからずうっと、毎朝起こしに行ったとき、あたしが淹れてました」
「!?(毎朝…。この綺麗な人は、きっと、あやちゃんの…)」
「まぁ、覚えてないのも仕方ないか。あやみくん、朝弱いもんね」
話してる間、彼女は一咲を見ようとしない。あるのは滲み出る敵意。一つひとつの表情や仕草に、たっぷりと毒が含まれている。
瞳を潤ませた一咲が、躊躇いがちに俺を見上げた。一体、なにが起こってるの?と、言いたげで。
「悪いけど俺、この子送って帰るんで」
「え(キャ、きゃあ)」
一咲の肩を抱き寄せた。
「元マネージャーさんも帰ってください」
に、身に覚えはなく、いつの間にか『雪村さん』から『あやみくん』となった呼び方に、眉を顰めた。…この人、なんの話してんの…?
一方通行なお喋りに黙り込んでいると、両手に持った紙袋を差し出された。
「ここのマカロンなかなか手に入らないんですよ。朝イチで並んで買ってきました、紅茶もあります」
彼女が近寄る。その圧に、更に眉根が寄る。
「あやみくんの好きなストロベリーティー。いつも飲んでたよね」
上手い具合に敬語とタメを使いわけ、にこっと笑った。「そうでしたっけ」と素っ気ない態度で答たが、相手は手強く、引かない。
「ドラマの差し入れで貰ってから、気に入ってたよ。それからずうっと、毎朝起こしに行ったとき、あたしが淹れてました」
「!?(毎朝…。この綺麗な人は、きっと、あやちゃんの…)」
「まぁ、覚えてないのも仕方ないか。あやみくん、朝弱いもんね」
話してる間、彼女は一咲を見ようとしない。あるのは滲み出る敵意。一つひとつの表情や仕草に、たっぷりと毒が含まれている。
瞳を潤ませた一咲が、躊躇いがちに俺を見上げた。一体、なにが起こってるの?と、言いたげで。
「悪いけど俺、この子送って帰るんで」
「え(キャ、きゃあ)」
一咲の肩を抱き寄せた。
「元マネージャーさんも帰ってください」