甘々とロマンス中毒
一咲便お届け後、こころちゃんと美羽ちゃんと、スタバで女子会をしました。

テスト勉強が大変だねって言ったり、バイトのことや恋バナのこと、たくさん話してたくさん笑って充実した放課後だった。

美羽ちゃんに教わったことを、電車の中でふわりと思い出す。


・LINEを返す時間は置く
・駆け引きが大事

「一咲ちゃんからじゃなくて、相手からくるの待ってみる?それとなく探り入れちゃいなよ」


キャラメルソースをカスタムしたバニラクリームフラペチーノを片手に、美羽ちゃんがつらつらと喋り、その隣で限定のフラペチーノを飲むこころちゃんが頷く。

きゅっと唇を噛んで、掌は大人しくスカートにのせて。二人のアドバイスに耳を傾けたの。

大人ぶって、背伸びをして、はじめて飲んだキャラメルマキアートは苦かった。

二人の恋愛指南に、私は首を縦に振ることで精一杯。心のメモに付箋を貼ったつもりが、いつの間にか剥がれちゃってた。

こころちゃん、美羽ちゃんへ。
ごめんなさい。一咲は待つことも駆け引きもできませんでした。

あやちゃんからLINEが届けば、嬉しくなって開いてしまう。既読は0.03秒で付けちゃうし、返事だって1分足らずで送信。

寝落ち通話が、誤って“寝落ちビデオ通話”になったこともある。

「(〜〜っ、ダメだなぁ。……ウン。今日は我慢の日にする)」

有言実行。トークルームを閉じた。
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