甘々とロマンス中毒
ご飯が出来上がり、私とあやちゃんはテーブルを囲んで食事をする。
食卓に並ぶのは、ふわふわオムライス・チーズアボカドハンバーグ・トマトスープ・シーザーサラダだ。
フォークを右手に、ぽーっと口を薄く開いた心許ない私にあやちゃんが話しかける。
「一咲、こぼしてるよ」
「あ。……ハイ。あやちゃんの作ったサラダおいしいね」
「(一咲が食べてんのハンバーグだけど…)」
鼓動の速度がしとしと上がる。手付かずのオムライスをあやちゃんが食べた。その一口は意外にも大きい。
「ん。うま」
「ほんと!?よかったぁ」
緊張に包まれた空気が解けた。肩の力も気も抜ける。私もオムライスをぱくり。お行儀良く。
「うん、美味しい」と、呟いた次には「これも食べて…」と、あやちゃんにハンバーグを勧めて。あやちゃんは続けてハンバーグを食べてくれる。
「美味しい。一咲は料理上手だな」
「やった〜〜。ふふ」
ふにゃ、と頬が緩んだ。
「オムライスはね、ママといっぱい練習したの。家で何回も作ったんだけど、今日が一番上出来だと思う!ハンバーグは、お兄ちゃんたちに味見してもらったんだ〜。ソースが難しくて。…あ!卵をふわふわにするコツが———…」
すっかり饒舌な私を、あやちゃんは何も言わずにただ見つめて、時折頷いたり……
「頑張ってくれたんだ。ありがとう」
甘ったるい顔立ちで笑う。
「うんっ」
あやちゃんに会ってわかった。
好きの『矢印』も『容量』も、私の方がうんと大きくて。
気持ちも大きくなるばかりで……子どもの頃よりもっと、ドキドキする。
食卓に並ぶのは、ふわふわオムライス・チーズアボカドハンバーグ・トマトスープ・シーザーサラダだ。
フォークを右手に、ぽーっと口を薄く開いた心許ない私にあやちゃんが話しかける。
「一咲、こぼしてるよ」
「あ。……ハイ。あやちゃんの作ったサラダおいしいね」
「(一咲が食べてんのハンバーグだけど…)」
鼓動の速度がしとしと上がる。手付かずのオムライスをあやちゃんが食べた。その一口は意外にも大きい。
「ん。うま」
「ほんと!?よかったぁ」
緊張に包まれた空気が解けた。肩の力も気も抜ける。私もオムライスをぱくり。お行儀良く。
「うん、美味しい」と、呟いた次には「これも食べて…」と、あやちゃんにハンバーグを勧めて。あやちゃんは続けてハンバーグを食べてくれる。
「美味しい。一咲は料理上手だな」
「やった〜〜。ふふ」
ふにゃ、と頬が緩んだ。
「オムライスはね、ママといっぱい練習したの。家で何回も作ったんだけど、今日が一番上出来だと思う!ハンバーグは、お兄ちゃんたちに味見してもらったんだ〜。ソースが難しくて。…あ!卵をふわふわにするコツが———…」
すっかり饒舌な私を、あやちゃんは何も言わずにただ見つめて、時折頷いたり……
「頑張ってくれたんだ。ありがとう」
甘ったるい顔立ちで笑う。
「うんっ」
あやちゃんに会ってわかった。
好きの『矢印』も『容量』も、私の方がうんと大きくて。
気持ちも大きくなるばかりで……子どもの頃よりもっと、ドキドキする。