甘々とロマンス中毒

雨宿りエチュード

夏休み直前の土曜日。

来週から期末テストが控えてるけど、今日は午後から、美羽ちゃんとスタバで女子会です。テスト勉強は朝、頑張りました…!

二人して、限定のピーチフラペチーノのクリームを混ぜながら、お互いの恋バナに耳を傾ける。

ほんのり苦いラテはやめて、背伸びしないことにしたの。

恋探し中な美羽ちゃんは、菖くんのことが気になるみたい。俯き加減に私を見つつ、むむ…と山型に結んだ唇を緩める。

旅行のとき菖くんと二人になれる時間あるかな?と、恋心を落として、鼻の先が淡い朱色に染まるのがとってもかわいい。

ずきゅんと撃ち抜かれた。

きゃあ〜〜っ、美羽ちゃんかわいい〜〜っ!
ぎゅーってしたい……!!

語尾にハートを付け足してはしゃいだ。気持ちがふわわ〜って舞い上がっちゃって、一気飲みしたフラペチーノは、もう半分になっちゃった。

両手で頬を包んだ私に、今度は美羽ちゃんが尋ねる。

「一咲ちゃんは?なにか進展あった?」

「……はっ!(ありまくり!で、いいのかな…。アレは)」

ぶわっと押し寄せる熱。
時間が経つほどに、一層惹かれる。

「……あったでしょ」

美羽ちゃんがトドメを刺した。だから、先日の一咲便のことをちょこっと。

ご飯を作って一緒に食べて、美味しい、一咲は料理上手なだなって褒めてくれて、彼女はいないって、いたら私のこと家に上げないって。

そう、言われたんだ。
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