溺愛×5!〜国民的アイドルグループは私を溺愛したいみたいです〜
プロローグ
___ここが、桃園中等教育学校!
私、楠木藍は晴れて中学1年生になりました!
本当は中学受験をするつもりは少しもなかったんだけど、お父さんが外国へ転勤になっちゃって、私は小学校時代の友達と離れたくないから、中学受験をすることにしたんだ!
桃園中等教育学校は中学校と高校が一つになっていて、寮で生活する学校なの。
「藍、本当にこの学校で大丈夫だった?」
お母さんが心配そうに聞いてくる。
そうだよね。私は淡い水色の髪に目は深い青色っていう、悪目立ちしちゃいそうな見た目をしているから、校則が厳しそうなこの学校だと怒られちゃうんじゃないかって心配してくれているんだよね。
「藍が一緒だった小学校の友達は少ないだろうし、一人ぼっちとかにはならないわよね......?」
そ、そっち?見た目のほうかと思ってた......。
そんなこともありつつ、寮へ行く当日、お父さんはすごく泣いていて、私も思わず泣きそうになっちゃった。
お母さんや、お兄ちゃんの洸も最後まで手を振り続けてくれていて、嬉しかった。
あとから、メールをしてわかったんだけど、どうやら、お父さん達はすぐに外国へ行ってしまったみたい。
また、お父さん達のいる外国に行けたらいいなぁ。
そんなことを思いながら、バスに乗っていると、いつのまにか桃園学校についていた。
ここで、たくさん、友達を作れたらいいなぁ。
小学校の友達はどのくらいいるかな?
___そうして、私は自分の”秘密”がばれてしまうことも知らずに桃園学校の門に足を踏み入れた。
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