溺愛×5!〜国民的アイドルグループは私を溺愛したいみたいです〜
だから、今日、急にsilentの歌の練習をしていたときに、藍が来たときには驚きすぎて、うまく舌が回らなかった。
急に来たってことはなにか用事があったんだろうな......。
そう思った俺の思考を裏付けるように藍の手には大量の資料が積まれていて、これを渡しに来たことは明白だった。
だけど、メンバーはsilentの練習を見られたことのほうが驚いたようで、かなり、動揺していた。
俺がメンバーをなだめて、藍に理由を聞くことにした。
「なにかあった?」
もしかしたら、資料を渡しに来たわけではないかもしれないから、一応聞いておく。
藍自身もかなり動揺しているようで、メンバーをぐるぐると見回していた。
「朝火、知り合いなのかよ?生徒に知られて良いわけじゃないんだけど、俺達」
海斗がなんとも空気を読まない発言をしてくれる。
俺は少し海斗を睨みつけると、言い放つ。
「それはわかっている。だけど、藍がやってきたのにはきっと理由があるんだよ」
そういうと、海斗も納得したのか黙った。