溺愛×5!〜国民的アイドルグループは私を溺愛したいみたいです〜
「白夜さん、やってみましょう!私はかっこいい白夜さんが見てみたいです!」
白夜さんが相当迷っているのが見て取れる。
本当にやってうまくいくか、自信がないんだと思う。
白夜さんはなにをやっても、すごいから。きっと、かっこよくたって、みんなを盛り上げてくれるはず......!
「___藍ちゃんがそこまで言うなら、やってみようかな。僕の目指していた方向にも近づくし......!」
白夜さんは楽しそうに言った。
よかった。私の言ったことは間違っていなかったみたい。
白夜さんはやっぱり、かっこいいのがやってみたかったんだ。
「ありがとう、藍ちゃん!僕、ファンに嫌われてしまうからって自分の本当にやりたかったこと、避けてたみたい。言われて、本当にやりたいことがわかったよ!本当にありがとう!」
「いえ!白夜さんが喜んでくれたなら、それで私も嬉しいですっ」
よかった、笑顔になって。そう喜んでいたときだった。
ふいにちゅっというリップ音とともに、頬に温かい感触が。
状況が理解できずに、驚いている私を見て、白夜さんはいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「僕からの、ありがとうの気持ちだよっ!じゃあ、配信楽しみにしててね」
その場にぽつん、と取り残された私は、呆然と立っていることしかできなかった。