きっと消えない秋のせい
*
目を覚ましたのはその直後だった。
上半身を起こしてもまだ、夢を見ているような感じ。
三人……?
あたしはふと首を傾げつつも、カーテンを開ける。
今日は朝からジトジトした雨が降り続いていた。
「うーん。こんな日は……」
あたしは部屋の窓から見える曇り空を見てため息をついた。
『お願い、今すぐ雨が止みますように!』
あたしは手をぱんぱんと叩いて、心の中で強く祈る。
すると、先程までの大雨が嘘のように、ぴたりと止んだ。
うわああ、太陽の光がまぶしい!
窓から温かい光が入り込んで、まるでおとぎの国の入り口みたいにきらきらと輝いていたんだ。
「今日も、あたしのお天気魔法は絶好調ー!」
あたし、片岡杏。
どこにでもいる、元気だけが取り柄な小学5年生。
でも、実は少し変わった『特別な力』というものを持っているんだ。
心の中で願ったら、そのお願いごとを近くにいる誰かが叶えようとしてくれる。
そして、心の中で願ったら、どんなお天気でも自由に変えることができるんだ――。
そのことに気づいたのは幼稚園の時だった。
みんなでかけっこをしている時、あたしが一番遅れていた。
だから、『みんな、待ってよー』と心の中で願った。
すると、みんなはすぐにあたしのところに戻ってきてくれて並んで走ってくれたんだよ。
それに遠足に行った時に、山の中で迷子になったんだよね。
『だれか助けて』と心の中で願ったら、なんと近くを飛んでいたヘリコプターが助けに来てくれたんだ。
そして、まるで魔法のように、お天気を自由に変えられる。
『明日、天気になーれ』……ってね。
ずばり、お天気魔法。
たとえ、台風や大雪の日でも、あたしが『晴れてー!』と願ったら必ず晴れるんだ。
目を覚ましたのはその直後だった。
上半身を起こしてもまだ、夢を見ているような感じ。
三人……?
あたしはふと首を傾げつつも、カーテンを開ける。
今日は朝からジトジトした雨が降り続いていた。
「うーん。こんな日は……」
あたしは部屋の窓から見える曇り空を見てため息をついた。
『お願い、今すぐ雨が止みますように!』
あたしは手をぱんぱんと叩いて、心の中で強く祈る。
すると、先程までの大雨が嘘のように、ぴたりと止んだ。
うわああ、太陽の光がまぶしい!
窓から温かい光が入り込んで、まるでおとぎの国の入り口みたいにきらきらと輝いていたんだ。
「今日も、あたしのお天気魔法は絶好調ー!」
あたし、片岡杏。
どこにでもいる、元気だけが取り柄な小学5年生。
でも、実は少し変わった『特別な力』というものを持っているんだ。
心の中で願ったら、そのお願いごとを近くにいる誰かが叶えようとしてくれる。
そして、心の中で願ったら、どんなお天気でも自由に変えることができるんだ――。
そのことに気づいたのは幼稚園の時だった。
みんなでかけっこをしている時、あたしが一番遅れていた。
だから、『みんな、待ってよー』と心の中で願った。
すると、みんなはすぐにあたしのところに戻ってきてくれて並んで走ってくれたんだよ。
それに遠足に行った時に、山の中で迷子になったんだよね。
『だれか助けて』と心の中で願ったら、なんと近くを飛んでいたヘリコプターが助けに来てくれたんだ。
そして、まるで魔法のように、お天気を自由に変えられる。
『明日、天気になーれ』……ってね。
ずばり、お天気魔法。
たとえ、台風や大雪の日でも、あたしが『晴れてー!』と願ったら必ず晴れるんだ。