きっと消えない秋のせい
「わあっー!! 見て見てー!!」

体育館で全員が一対一をすることになった途端、考人と通谷くんのファンの人たちが大きく歓声を上げた。
一対一の組み合わせが、考人と通谷くんのペアだったからだ。

「深瀬くんー!」
「通谷くんー!」

二人が一対一を始めた途端に、黄色い声援が飛ぶ。
そんな中、あたしはいつもふわふわと空気のように、考人の周りをまとわりついていた。
そんなあたしは、彼を好きな女の子にとってはだいぶ目障りだったのかもしれない。

「あんた、おしどり夫婦なのか知らないけど、調子に乗ってつきまとわないでよ」

そのせいで、考人のファンの人たちに妬まれることもあった。
けれど、それは考人と一緒にいることができる裏返し。
そう考えて、今日も無意識に考人ばかりを目で追いかけてしまう。

「うわあっ! すごい!」

体育館の窓から朝日が差し込み、その光が……シュートを放つ孝人を照らしていた。
目に映るその姿に、あたしはドキドキと心臓が高鳴る。
みんなの中心にいるのはいつだって、あたしにとって大切な人たち。
クラスのみんなと一丸となって過ごす時間は不思議と心地よく、自分が自然体でいられるような気がした。
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