きっと消えない秋のせい

◆第六章 声なき空と見えない秘密

盛り上がった大会が終わり。
小テストが始まって、教室の空気も混沌とした雰囲気になっている。

「うわっ、難しい……」

あたしは問題が解けなくて悩んでいた。
前代未聞の大ピンチ!!

「なんだよ、この問題!? 難しすぎだろー!」

そう思っていたら、近くの席から悲鳴が上がって、びくっとあたしの肩が跳ねる。
うつむいていた顔を上げると、通谷くんが頭を抱えて悩ませていた。
大会の次の日が、小テストだったからすごく大変そう。

「あ……」

そっと視線を動かすと、考人が問題をすらすらと解いていく姿が見えた。
成績がずば抜けていい考人ならきっと、このくらいの問題は簡単なのだろう。
以前、答えが分からなくて必死に頭を悩ませていたのが嘘のようだ。

昨日、大会だったのにすごいな。
よし、あたしも頑張らなくちゃ。

あたしは必死にテスト用紙とにらめっこしてた。
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