きっと消えない秋のせい
「結菜、今日はどうする?」
「ごめんー。今日は大事な用事があるから」

大事な用事。
その言葉に気づけば、あたしは結菜の後をこっそりと追いかけていた。
結菜も恐らく、あの事故の『真実』を口止めしている人のもとに行くつもりだと分かったから。
結菜の後を追いかけたら、きっと見つからないはず。
我ながらナイスアイデアじゃない。
ふふんと、あたしは胸を張る。

やるぞぉー。

あたしは奮起する。

あの事故の真実をどうしても確かめたい。
ううん。絶対に確かめなくちゃ。

そんな根拠のない使命感が生まれる。
結菜を見失わないように。
そして、気づかれないように。
ときおり、お願いごとに頼りながら。
あたしは必死に、結菜の後を追いかけた。
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