きっと消えない秋のせい
「――あ、いた!」
「みんな、こっちこっち!」
ああああー、できなかったよー!!
学校のみんなの声が一斉に、公園の入口から聞こえてきたんだ。
「おーい、片岡、発見!」
「ついに追い詰めたぞ!」
「捕まえろー!」
まるで雪崩れ込むように、どんどん人が集まってくる。
そして、すごい勢いであたしたちのもとに駆け寄ってきた。
「ぎゃあ!! ちょっと、ちょっと待って!!」
そんなに大勢で囲んだら、逃げ場が……。
あ、そうだ!!
『お願い! 誰か、みんなを止めて!』
あたしは心の中で強く強く願う。
すると、近くでサイレンが鳴り響いたんだ。
「そこの子どもたち、今すぐ止まりなさい!」
「ええっ、パトカー?」
「なんで!?」
数台のパトカーがやって来て、みんなをあっという間に囲んでしまった。
よし、これでしばらくは大丈夫。
「考人、行こー」
「うん」
「あー。ちょっと、片岡さん、待ちなさいよ!」
みんなの声を置き去りにして、あたしたちは転がるように公園を飛び出した。
息を切らして、全速力で病院に向かう。
必死に走っていると、やがて駅が見えてくる。
……もうすぐ病院だ。
そう思ったその途端、あたしの目に飛び込んできたのは。
ザー……。
突如、雨が容赦なく降りしきる。
しかも何故か、病院の周りだけ大雨。
だから、あたしたちは思わず、足を止めてしまったんだ。
「最後の最後でお天気魔法? それー、サイアクー!!」
うわあ、あんまりだよ!
あの病院の院長さんは、ほんとに最後まで容赦がない……。
うーん、こうなったら仕方ないよね。
『お願い、今すぐ雨が止みますように!』
あたしは手をぱんぱんと叩いて、心の中で強く祈ったんだ。
すると、先程までの大雨が嘘のように、ぴたりと止んだ。
大成功ー。でも、この後の流れは当然。
「杏」
「うん」
朔夜くんがあたしの腕をつかむ。
そして、あたしの手を引っ張り、病院に勢いよく駆け込んだ。
はあはあ。今日はずっと走りっぱなしだあ。
息を切らしていると、看護師さんたちが不思議そうに首を傾げていた。
「あの子たち、どうしたのかしら?」
「そうね。慌てて入ってきて……って、きゃあ!!」
もちろん、看護師さんたちはびっくりしていた。
二重の意味で。
ザー……。
病院の外では再び、視界が見えなくなるほどの大雨が降りだしていたんだもの。
当然、病院にいる人たちはみんな、外に釘づけ。
「……この光景はとんでもなく心臓に悪いね」
「……うん」
朔夜くんも、あたしと同じことを思っていたみたい。
病院にたどり着いたら、目的の院長室までは目前だ。
そのはずだったんだけど。
「みんな、こっちこっち!」
ああああー、できなかったよー!!
学校のみんなの声が一斉に、公園の入口から聞こえてきたんだ。
「おーい、片岡、発見!」
「ついに追い詰めたぞ!」
「捕まえろー!」
まるで雪崩れ込むように、どんどん人が集まってくる。
そして、すごい勢いであたしたちのもとに駆け寄ってきた。
「ぎゃあ!! ちょっと、ちょっと待って!!」
そんなに大勢で囲んだら、逃げ場が……。
あ、そうだ!!
『お願い! 誰か、みんなを止めて!』
あたしは心の中で強く強く願う。
すると、近くでサイレンが鳴り響いたんだ。
「そこの子どもたち、今すぐ止まりなさい!」
「ええっ、パトカー?」
「なんで!?」
数台のパトカーがやって来て、みんなをあっという間に囲んでしまった。
よし、これでしばらくは大丈夫。
「考人、行こー」
「うん」
「あー。ちょっと、片岡さん、待ちなさいよ!」
みんなの声を置き去りにして、あたしたちは転がるように公園を飛び出した。
息を切らして、全速力で病院に向かう。
必死に走っていると、やがて駅が見えてくる。
……もうすぐ病院だ。
そう思ったその途端、あたしの目に飛び込んできたのは。
ザー……。
突如、雨が容赦なく降りしきる。
しかも何故か、病院の周りだけ大雨。
だから、あたしたちは思わず、足を止めてしまったんだ。
「最後の最後でお天気魔法? それー、サイアクー!!」
うわあ、あんまりだよ!
あの病院の院長さんは、ほんとに最後まで容赦がない……。
うーん、こうなったら仕方ないよね。
『お願い、今すぐ雨が止みますように!』
あたしは手をぱんぱんと叩いて、心の中で強く祈ったんだ。
すると、先程までの大雨が嘘のように、ぴたりと止んだ。
大成功ー。でも、この後の流れは当然。
「杏」
「うん」
朔夜くんがあたしの腕をつかむ。
そして、あたしの手を引っ張り、病院に勢いよく駆け込んだ。
はあはあ。今日はずっと走りっぱなしだあ。
息を切らしていると、看護師さんたちが不思議そうに首を傾げていた。
「あの子たち、どうしたのかしら?」
「そうね。慌てて入ってきて……って、きゃあ!!」
もちろん、看護師さんたちはびっくりしていた。
二重の意味で。
ザー……。
病院の外では再び、視界が見えなくなるほどの大雨が降りだしていたんだもの。
当然、病院にいる人たちはみんな、外に釘づけ。
「……この光景はとんでもなく心臓に悪いね」
「……うん」
朔夜くんも、あたしと同じことを思っていたみたい。
病院にたどり着いたら、目的の院長室までは目前だ。
そのはずだったんだけど。