きっと消えない秋のせい
「ふわわっ! ごめんね、杏ちゃん!」
「……へいきへいき。ただいま、結菜」
……うん。そうなんだよね。
実はウサギのぬいぐるみの中身は本物の結菜なんだ。
あの後、ウサギのぬいぐるみがぴょこっと立ち上がったと思ったら、突然、結菜の声で話し出したの。
とにかく大混乱。
場所を変えて、ウサギのぬいぐるみさんと話したところ、衝撃なことが明らかになったの。
今のウサギのぬいぐるみさんの中身は正真正銘、本物の結菜なんだって。
あの事故の後、何故か、ウサギのぬいぐるみになっていたみたい。
ほんとにびっくり。
この現象もやっぱり、死神さんの仕業なのかな?
何が何だか、わけが分からないことばかりだけど。
……それでもあたしはまた、結菜と会えてすごく嬉しいんだ。
「……杏ちゃんとこうしてお話できるのがすごく嬉しい。ぬいぐるみのふりをして、じっとしているのはすごく緊張するから」
結菜がもじもじとあたしをまっすぐに見つめる。
それは、あたしがもう一度、会いたいと願っていた親友の瞳だ。
そう実感すると。
何故だか、泣きそうになったんだ。
「結菜、ごめんね。ほんとは家に帰りたいのに……」
「……杏ちゃん、ありがとう。でも、今のわたしが家に帰っても、お父さんとお母さんはきっと、信じてくれないと思うから」
胸に走った痛みを振り払うように、結菜は頭を横に振った。
結菜の身体には、あすかみのり先生の魂が宿っている。
ウサギのぬいぐるみの姿の結菜が訴えかけても、信じてもらえないかもしれない。
「でも、あたしのお願いごとの力を使えば……」
あたしのお願いごとの力。
あの事故の真実。
そして、死神さんのこと。
結菜には全ての事情を打ち明けていた。
「……確かに、杏ちゃんが持っている不思議な力を使えば、お父さんとお母さんは信じてくれるかもしれない。でも、それじゃダメなんだ……。本当の意味で信じてくれたわけじゃないから……」
あたしの提案に、結菜は悲しげにうなだれた。
当たり前に思っていた毎日が、急に当たり前じゃなくなった。
そんな過酷な現実を前にしたら、あたしならすごく心細い。
「……へいきへいき。ただいま、結菜」
……うん。そうなんだよね。
実はウサギのぬいぐるみの中身は本物の結菜なんだ。
あの後、ウサギのぬいぐるみがぴょこっと立ち上がったと思ったら、突然、結菜の声で話し出したの。
とにかく大混乱。
場所を変えて、ウサギのぬいぐるみさんと話したところ、衝撃なことが明らかになったの。
今のウサギのぬいぐるみさんの中身は正真正銘、本物の結菜なんだって。
あの事故の後、何故か、ウサギのぬいぐるみになっていたみたい。
ほんとにびっくり。
この現象もやっぱり、死神さんの仕業なのかな?
何が何だか、わけが分からないことばかりだけど。
……それでもあたしはまた、結菜と会えてすごく嬉しいんだ。
「……杏ちゃんとこうしてお話できるのがすごく嬉しい。ぬいぐるみのふりをして、じっとしているのはすごく緊張するから」
結菜がもじもじとあたしをまっすぐに見つめる。
それは、あたしがもう一度、会いたいと願っていた親友の瞳だ。
そう実感すると。
何故だか、泣きそうになったんだ。
「結菜、ごめんね。ほんとは家に帰りたいのに……」
「……杏ちゃん、ありがとう。でも、今のわたしが家に帰っても、お父さんとお母さんはきっと、信じてくれないと思うから」
胸に走った痛みを振り払うように、結菜は頭を横に振った。
結菜の身体には、あすかみのり先生の魂が宿っている。
ウサギのぬいぐるみの姿の結菜が訴えかけても、信じてもらえないかもしれない。
「でも、あたしのお願いごとの力を使えば……」
あたしのお願いごとの力。
あの事故の真実。
そして、死神さんのこと。
結菜には全ての事情を打ち明けていた。
「……確かに、杏ちゃんが持っている不思議な力を使えば、お父さんとお母さんは信じてくれるかもしれない。でも、それじゃダメなんだ……。本当の意味で信じてくれたわけじゃないから……」
あたしの提案に、結菜は悲しげにうなだれた。
当たり前に思っていた毎日が、急に当たり前じゃなくなった。
そんな過酷な現実を前にしたら、あたしならすごく心細い。