屋上少女と弱虫少年

誰もいない放課後 春琉

放課後、僕はすぐに教室を出ようとしていたが
「春琉」
光に呼び止められてしまった。
「どうしたの?」
なるべくはやく、!
多分焦っていたのがわかったのだろう
「ごめん、急いでると思うけど少し待って」
え?
何かあるのかな?
そんなことを思ってたら
「春琉くん!光くん!!」
「凪央先輩?!」
凪央先輩が来た。
そして光はさっき話そうと思っていた事だろうことを話した。
「いや、俺達も屋上行きたいなって。いいか?」
あぁ、そういうことね。
「いいよ。そしたら早く行こう。」
そういい僕は返事を聞かず先に屋上に向かった。
優季、居ますように。
そんなことを願いながら

ーガチャー

屋上に着き、ドアを開け、周りを見渡すが優季の姿はなかった。
「いないか?」
「うん、。」
光に聞かれそう答える。
「とりあえず少し待ってよーぜ」
気楽に凪央先輩が言う。
僕は頷き、凪央先輩の隣に座った。
でも優季を信じるしかないが優季は今日現れない気がした。
いつもと同じようなきがしてしまった。
そんな時どこからか視線が感じた。
周りを見るがやっぱり誰もいなかった。
でもこの視線は優季っぽいな。そう思ってしまった。

数時間光たちと話しながら待っているが一向に現れない。
不意に凪央先輩が時計を見る。
僕もつられてみると7時を過ぎていた。
「もう、諦めて帰らないか??親も心配するだろ?」
帰る訳には行かない、!!
優季に会えてないよ、、、。
「そうですね。帰りましょう。な?春琉」
光が僕を説得するように言うが僕は首を振った。
「もう日が暮れるぞ。危ないぞ。」
僕は何も答えなかった。
光が困っているのは分かるけど、、、
優季に会えないのは辛いよ、、、。
そう察したのか凪央先輩は
「俺たちは帰るけどいいか??」
微笑みながら聞いてくれる。
凪央先輩も辛いはずなのに、、、。
でも優季に会いたいから。
「はい。」
その返事を聞き、凪央先輩は立ち上がった。
「よし、光帰るぞ!」
凪央先輩は元気よく光に言った。
先に屋上の扉の方に向かって光を待っている。
光は少し戸惑っていたが立ち上がり僕の方を向く。
「あんま、無理すんなよ。」
心配そうに言う光に
「大丈夫だよ。」
そういうと多分まだ納得はしていないと思うが少し安心したような表情をし、
凪央先輩と一緒に屋上を後にした。
あーあ、1人か、、、。
そんなことを思いながら空を見上げた。


もう空は暗くなっていた。
それでも僕は屋上にいた。
優季におめでとうも言っていない。
こんなので帰れない、!
後悔しかなくなる。
まだ、僕の気持ちも言えてないな、。
別に優季と両思いじゃなくてもいい。
ただ、僕の気持ちを知っていて欲しい。
そんなことを考えていた時

ープルルルルルルー

僕の携帯がなった。
お母さんだ。もう、帰らなきゃなの、?
そんなことを思いながら電話に出ると、
「春琉!!今何してるの!!早く帰ってきなさい。」
言われそうだなと思っていたことをお母さんは言った。でも、そう思ったが優季は自分のために屋上にいたとしても喜ばないよな、。
そう思い
「遅くなってごめんなさい。もう少しで帰るから。」
そういい返事も聞かずに電話を切った。
「優季、、、。」
思わず問いかけてしまった。
その時物音がした。
物音がした方は視線を感じた方向だった。
僕はそちらを見ずに
「優季帰るね。」
もう会えないかもしれなかったが屋上を出た。
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