屋上少女と弱虫少年

優季と春琉くん 凪央

俺はあの後光くんと個人のチャットで話をし、屋上に行くことにした。
行ったとしても優季と春琉くんの邪魔をしないように0時になるまで待っておくけど。
春琉くんになら優季を任せられる!って言っても優季、もういないけど、、。
ってかそもそも家を出れるかって話になってしまう。
こんな夜に出るなんてダメって言われそう、、
親に状況を話す、、、か。
信じてもらえるかは分からない。
信じて貰えたとしても行ってもいいってことにはならないかもしれない。
でも、やらないでダメより、やってダメの方がマシか。
そう思いリビングへ行く。
「あら、凪央まだ起きていたの?」
母さんが言う。目が赤い。
毎年もそうだった記憶がある。
去年とかは朝だったから少し赤いか?ぐらいだったけどやっぱり泣いていたのかも。
そう思いながらも母さんに伝えるとこにした。
「母さん、学校行ってもいい??」
「は?」
いや、待て、唐突すぎたか?
いやこの顔は怒ってる気しかしないぞ。
「今何時か分かってるの??」
母さんが怒りながら言う。
優季のこと、、、、言うか。
「母さん、さっき優季が会いに来た。」
固まったし。
びっくりしすぎているのか母さんが固まった。
俺は言葉を続ける
「俺の後輩が数日前から優季のことが見えてた。後輩は幽霊だって分からなかったらしい。でも俺に会いに来た。優季の姉弟ですか?って。」
なんかもう懐かしいな。でも約1週間前ぐらいの話だった。
なんで懐かしく感じてしまうのだろうか。
「そこから俺とその後輩仲良くなって、今日も帰るの遅くなったの優季に会うため。で、たったさっき優季が見えるようになって話したんだ。これから屋上に向かうって。多分春琉くん、、、後輩に会いたいからその伝言を俺に言ったんだよ。で、後輩が心配だから行きたい。」
ずっと黙っていた母さんだったが俺が話終わり少したってから口を開いた。
「そう、、、、。わかったわ。」
良かった。
承諾を得た俺は心底安心した。
「じゃあ俺行ってくる。」
母さんは頷き見送ってくれた。
屋上に向かっている途中。
「凪央先輩!」
呼ばれ振り向くと光くんがいた。
学校で合流予定だったからびっくりしてしまった。
「光くん!ここで普通会うか??」
俺が笑いながら言うと光くんも笑いながら
「そうですね。でも急がなくてもいいんじゃないですかね。結構時間ありますし」
確かに時間は結構ある。
「優季さんと春琉2人っきりにさせてあげたいし」
光くんがニヤニヤしながら言う。絶対光くんこういうの好きだよな、、、。
「まぁ、そうだな。じゃあゆっくり行くか。」
光くんは頷いた。
俺たちはそのまま話しながら屋上に学校に向かった。
結構着くのに時間がかかってしまった。
もう0時だ。
もう、、、優季は居ないのか。
そう思うとやっぱりいつもより悲しくなってしまう。
泣きたい気持ちを押し込めて光くんと2人で屋上に向かった。
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