屋上少女と弱虫少年
屋上少女と弱虫少年
卒業式

「3年2組吉野春琉」
「はい」
時の流れは早かった。
優季に会ってから約2年の月日が経ち、今日は卒業式。
志望校高は、凪央先輩と一緒の高校だ。
光も一緒。志望校に受かった時は泣いて喜んだ。それももう懐かしい記憶だった。

卒業式が終わりみんな自由に写真を撮ったりしていた。
「春琉」
振り向くと光が立っていた。
「どうした?」
「いやさ、写真とんない?」
え?
こ、光がそんなことを言ってくれるなんて、!!
「うん!撮ろ!」
あ、でも屋上に行きたかったな、、、。
時間なくなりそうだな、、、。
そんな想いを察したのか
「後ででもいいぞ。春琉が大切だと思う方を優先しな。」
え、でも光も大事だし、、、。
迷ってたら
「もうこの学校の屋上入れないぞ?」
光がからかうように言ってくる。
そうだよね、!!
「僕、屋上に行ってくる!!」
「おう。行ってらっしゃい」
光が笑顔で言ってくれた。
本当にいい友達だなそう思いながら屋上に向かう。

ーガチャー

屋上に入れるのも今日で最後か。
この屋上には思い出が沢山ある。
もちろん光と凪央先輩もだが1番は
優季だな。
僕は柵の方に向かった。
その時僕は優季との記憶を思い出していた。
初めて出会った時は自分を出せてなかったけど優季だから素の自分を出せるようになっていったんだろうな。
優季が幽霊だって分かっても好きな気持ちは変わらなかった。というか初恋が優季なんだよね。両思いってわかった時めちゃくちゃ嬉しかった。優季は自分の気持ちが迷惑だって思ってそうだったけど、、、。
むしろ全然迷惑じゃない。嬉しかったな。
あーあ優季、、、。早く会いたいな。
「優季」
僕は誰もいない屋上にそう呼びかけた
「優季、僕卒業したよ」
優季はもうここには居ない。
でもなんだかいる気がして話してしまう。
こんなことしてても優季は現れないのにな。
僕は空を見上げた。
今日は綺麗な青空だった。
空を見上げていたその時
!!!
僕は振り返る。
「え、?」
僕はびっくりしていた。
だって
「優季、?」
たったの一瞬だったが笑っている優季が見えた。
「おめでとう。」
そんな声と同時に。
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