荒神の贄になりましたが花嫁として溺愛されています~『化け物白うさぎ』と呼ばれた乙女は神の最愛になる
◆『物の怪』神様と初対面
「……えっ?」
入った途端、自分がどこかの庭にいることに驚く。
しかも夜中のはずなのに、柔らかな陽差しの中にいる。
いったいここは? とキョロキョロと辺りを見渡しているとどこからか、
「きた、きた」
「おいでなすった」
「お嫁様がいらした」
と声が聞こえ、近づいてきた。
お迎えがきた、とうさぎは緊張するが出てきた相手を見て、赤い目を見開く。
(兎……?)
白い兎がわらわらと出てきて、うさぎを囲い始めたのだ。
一瞬、混乱したうさぎだったが、そういえば辻結神社の神使は兎だったと思い出す。
兎たちはうさぎを見て驚いた様子だ。
「赤い目だ。わたしたちと同じ」
「白い髪だ。わたしたちと同じ」
「でも人だ」
「そうだね、人だ」
「不思議だ」
「そうだ、不思議だ」
兎たちは一斉に喋りだして姦しい。うさぎはおたつくしかない。
(どうしよう、挨拶……)
お喋りの止まらない兎たちにどう話しかけたらいいんだろう。もともと話すのが上手くないうさぎは、ただ戸惑う。
わいわい話していた兎たちは突然我に返ったのか、一斉にうさぎを見上げていった。
「寝室に案内します」
「どうぞこちら」
ぴょんぴょんと跳ねながら、うさぎを案内してくれる。
時々止まり、自分が付いてきているのか確認しながらの案内でうさぎはほっこりする。
大きな引き戸の玄関から入り、畳部屋に案内された。
敷かれてあった真新しい布団にビックリする。
(……私は食べられるはずでは?)
案内した兎に尋ねようとも、
「では、ここでお待ちください」
と、前足で器用に障子を閉められてしまった。
入った途端、自分がどこかの庭にいることに驚く。
しかも夜中のはずなのに、柔らかな陽差しの中にいる。
いったいここは? とキョロキョロと辺りを見渡しているとどこからか、
「きた、きた」
「おいでなすった」
「お嫁様がいらした」
と声が聞こえ、近づいてきた。
お迎えがきた、とうさぎは緊張するが出てきた相手を見て、赤い目を見開く。
(兎……?)
白い兎がわらわらと出てきて、うさぎを囲い始めたのだ。
一瞬、混乱したうさぎだったが、そういえば辻結神社の神使は兎だったと思い出す。
兎たちはうさぎを見て驚いた様子だ。
「赤い目だ。わたしたちと同じ」
「白い髪だ。わたしたちと同じ」
「でも人だ」
「そうだね、人だ」
「不思議だ」
「そうだ、不思議だ」
兎たちは一斉に喋りだして姦しい。うさぎはおたつくしかない。
(どうしよう、挨拶……)
お喋りの止まらない兎たちにどう話しかけたらいいんだろう。もともと話すのが上手くないうさぎは、ただ戸惑う。
わいわい話していた兎たちは突然我に返ったのか、一斉にうさぎを見上げていった。
「寝室に案内します」
「どうぞこちら」
ぴょんぴょんと跳ねながら、うさぎを案内してくれる。
時々止まり、自分が付いてきているのか確認しながらの案内でうさぎはほっこりする。
大きな引き戸の玄関から入り、畳部屋に案内された。
敷かれてあった真新しい布団にビックリする。
(……私は食べられるはずでは?)
案内した兎に尋ねようとも、
「では、ここでお待ちください」
と、前足で器用に障子を閉められてしまった。