空模様に左右される君とされない私
それ以降、東堂くんは私にちょくちょく話しかけてくるようになった。
「天気に左右される俺と違って、三村さんがいつも一定でいるの、勝手に安心する」
「何それ」
「俺が気圧とともに、口数やしゃべる速さを乱高下させてても、三村さんは不動でいてくれるんだなって」
苦笑いしてみせたけれど、うれしかった。
コンプレックスのはずのこの低音でとろい話し方も、東堂くんといればたちまちそうじゃなくなることを知った。
しかしそうしているうちに、私たちは2年生になり、別々のクラスになった。
それきり東堂くんとは疎遠になった。
そのはずなのに、雲ひとつないよく晴れたある日、東堂くんから呼び出された。