空模様に左右される君とされない私
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信号はすでに青になっていて、私とソウスケは水溜まりを避けながら横断歩道を渡った。
渡りきったタイミングで、ソウスケがこちら側へ寄ってきた。
傘をくっつけて、頭だけ私の傘に入れる。
そうしてなおも私の声に耳を傾けた。
私の話が終わるとソウスケは言った。
「俺、傘の中でくぐもってるユウナの声って特に好きかも」
私は『ふふっ』と笑ってしまった。
「それ、雨の日に一緒に帰るたびに聞いてるよ」
END