空模様に左右される君とされない私

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 中学入学当時、眩しいほどにキラッキラな笑顔を掲げて私たちの前に登場したソウスケ。しゃべりも快活だった。


 そうして、あっという間にクラスのムードメーカーの座に躍り出た。


 世の中にこんなポジティブで、誰のことも不快にしたりしない人が存在するんだ、と感動したのを覚えている。


 ところが、それはソウスケを構成する要素の半分でしかなかった。


 4月のうちは、それほど親しくなかったこともあって、まだ気づかなかった。


 もしかしたらソウスケのほうも、知り合って早々に(おもて)に出すことのないよう、我慢していたのかもしれない。


 5月になってようやく、あれ? と思う機会がちらほらと現れた。

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