空模様に左右される君とされない私

 ユイと手を振り終えたとき、ソウスケがこっちを向いた。


「おう」

「今日はまたすごい雨だね」


 私はソウスケの横に並んで、一緒に信号を待つ。


 雨粒が傘、アスファルト、境界ブロック、欄干……ありとあらゆるものを叩く音が聞こえる。


「今日は、どうだった?」


 ソウスケから訊いてきた。


「雑な質問」


 私は思わず『ふふっ』と笑ってしまった。


「何でもいいからユウナに語ってほしいな」

「じゃあ……美術で粘土製作したときの話なんだけどね、」


 ソウスケは耳を澄ませて、雨音に紛れてしまいそうな私の声を拾う。


 2年前からずっとそう。


 クラスが変わろうと、身長差が5センチから15センチに広がろうと……

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