〜秘書室の悪魔とお見合いしたら〜after storyハネムーン編〜
 外観はもちろん、そこに入る棚の数も、本の数も、日本とは比べ物にならない。
 
「海外ですからね、大きさはもちろん、使ってるものも違うな」
「海外の他の図書館にも行ったことが?」
「時間があるときは、毎回訪れます」
 
 気になって尋ねると、智秋さんはとても楽しそうに教えてくれた。
 聞くに、智秋さんはスケジュールに余裕のあるときは、訪れ国や地方で有名な図書館を訪れているんだとか。
 なかでもお気に入りなのは、自分が通っていた世界的名門大学の図書機関のひとつ。イギリスのゴシック建築の傑作と言われている、最古の建物からできている図書館だと目を輝かせながら教えてくれた。
 
 貯蔵数はもちろん、建物は映画の撮影に使用されるほど趣があり、読書や勉学に励むのに最適なんだとか?
 家でもよく本を読んでいるし、都内の帝国図書館を愛用しているくらい本好きなのは知っていたけれど、まさか、海外に来たときまでそれを発揮しているなんて――。

 新たな一面を知って胸の奥が温かくなった。
 
 そうして図書館で軽い読書を重ねながら散策したあと、様々なグルメの終結すると言われるセントローレンスへ向かう。

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