離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
 そこで購入したものをシェアしながらお腹を満たして、北米でとても歴史のあると言われる、緑豊かな庭園や博物館へと足を運ぶ。

 博物館内を論議しながら巡り外に出たころには、時計はもう十六時を指していた。

 
   ◇

  
「結構歩いたけど、疲れていない?」

 智秋さんの提案で近くのショッピングセンターに立ち寄り、カフェでコーヒーを口にしながら足を休める。
 
「全然大丈夫です。それよりも楽しくて、なんだか、時間が過ぎるのが寂しいくらい」
「最終日に予定も入ってるし、ふたりで回れるのは今日だけですからね……」
 
 海外に三泊とはあっという間だ。それも智秋さんとの時間はいつだって、通常よりも早いスピードで過ぎて行っている気がする。
 
「いっそ、クリスにはそのまま帰宅してもらうという手も――」
「だ、ダメですよ! 約束したのに……」

 まぁ、そんな冗談を挟みながら、コーヒーとバタータルトを頬張った。
 相変わらず智秋さんはクリスに手厳しい。クリスのほうはすっかり智秋さんに懐いていて、たまに電話で近況報告をしてくることもしばしばだというのに。
< 18 / 64 >

この作品をシェア

pagetop