離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
「いえ、お役に立てて良かったです」
「……お二人は、ハネムーンですか?」
察したように尋ねられて、もじもじしながら肯定する。
「は、はい、実は……」
「ふふっ、やっぱり。いいなぁ……」
「?」
しみじみ聞こえて首を傾げると、女性は我に返ったように付け加える。
「あ……いえ、私、実は、明日会うの、ずっとお慕いしていた人で……」
――あ、なるほど。
「デートなんですね」
「で⁉ で、デートでもないん……です。私、ずっと見向きもされなくて……あっちからすると、不本意な結婚だから当然なんですが……それで、少しでもいい思い出になれたらいいなと思って、プレゼント探そうとして――」
けっ、こん…? 友達じゃなくて、婚約者なの……?
深そうな事情に困惑する。
でも、何だかとても淋しそうな顔をしてモニョモニョしているのが気にかかってしまった。
そこで、ちょうどカウンターが見えてきて、智秋さんが先に足を運び事情を話してくれた。
無事に取り合ってくれるのを見届けた私たちは、何度も頭を下げる彼女に手を振り、ディナーへと向かった。
「……お二人は、ハネムーンですか?」
察したように尋ねられて、もじもじしながら肯定する。
「は、はい、実は……」
「ふふっ、やっぱり。いいなぁ……」
「?」
しみじみ聞こえて首を傾げると、女性は我に返ったように付け加える。
「あ……いえ、私、実は、明日会うの、ずっとお慕いしていた人で……」
――あ、なるほど。
「デートなんですね」
「で⁉ で、デートでもないん……です。私、ずっと見向きもされなくて……あっちからすると、不本意な結婚だから当然なんですが……それで、少しでもいい思い出になれたらいいなと思って、プレゼント探そうとして――」
けっ、こん…? 友達じゃなくて、婚約者なの……?
深そうな事情に困惑する。
でも、何だかとても淋しそうな顔をしてモニョモニョしているのが気にかかってしまった。
そこで、ちょうどカウンターが見えてきて、智秋さんが先に足を運び事情を話してくれた。
無事に取り合ってくれるのを見届けた私たちは、何度も頭を下げる彼女に手を振り、ディナーへと向かった。