〜秘書室の悪魔とお見合いしたら〜after storyハネムーン編〜
 なんていろんなことに思いを馳せていると、智秋さんが、ゴホン! と咳払いして空気を変える。

「まぁ……明日、色々とわかるのではないでしょうか……」
「え? 明日……?」
 
 なんのこと……? と考えてすぐに、思いあたることがひとつ。確か……
 
「そう言えば、明日のクリスとのクルーズの件って、同行者がいるんでしたよね」
 
 いると言われて、話が途中になってしまっていた。
 え? でも、〝色々わかる〟ってどういうこと……?
 
「えぇ、俺の見解ですが……もしかすると、さっきの方は――」


 ――私は、このあと大きな声をあげてビックリした。


   ◇


 翌日の夕方。クリスとレノックスおじさんと待ち合わせていた場所は、トロントで最も有名な観光地といえるナイアガラの滝だった
 私たちはこの日は朝からその近くのエリアを観光したあと、約束の時刻、集合場所へと向かった。
 カナダとアメリカの国境にある世界三大大瀑布が、大迫力かつ美しい姿で出迎え、遠目からでも人々を惹きつける。
 レノックス社はここのイベントショーに携わっているらしい。
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