離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
 そして、その日繋がった体温は、ふたりの情慾を煽り、いつも以上に呼吸を震わせた。

『まずいな……よすぎて制御が効かない……』
『ぁっ……わたしも、きちゃ……っ――!』
『何度でも、よくなればいい――』
 
 念願の挙式をできて、いつもより獣ちっくな智秋さんに、たっぷり啼かされて愛を注がれて……。
 この日は本当に、夢みたいな一日だった――。


 
「あれからもう、ひと月も経つのかぁ……」

 就寝前のベッドの上。私はアルバムをめくりながら、ぽつりとつぶやいた。

 そう、もうひと月が経った。梅雨時期の六月。
 時間が経つのはあっという間だ。
 
 でも、時間の経過だけではなく、ここ最近智秋さんが寝室として使っていたこの部屋の家具が変わっていた。

 ベットはふたりでゆったり眠れるクイーンサイズのベッドに買い替えた。広めのウォークインクローゼットの一部には私の洋服がハンガーに掛けられ連なっている。その他、私のために増やされたチェストやボックスも増えている。シンプルだけどもどことなく可愛らしい私好みのデザインで、家の中のあちこちに私の存在を感じられるようになっていた。
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