離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
「……智秋さん、大好き」
届かないのが当たり前だと思って、告げた告白だった。そこから今の私たちがあるだなんて、想像もできなかった。これは、私のとって一番の奇跡だよ。
「あなたの勇気に、感謝しなければなりませんね」
それは、私のセリフでもある。
智秋さんだって、勇気を出して私には歩み寄ってくれたから今があるの。
その後、夜景を包む大きな花火を背に、私たちはほんの少しだけこれまでの軌跡をキスで確認し合った。
◇
「いやぁー楽しかった、二人をもてなすはずが、私が一番楽しんでしまったよ、ハハハ」
花火が終わり、ボートは乗り場へ到着した。それから夕食を帰り道にあったレノックス家行きつけのレストランでごちそうになり、とても楽しい時間を過ごした。
ジョーダンをいうおじさんにクリスが突っ込んで、その隣でミアが楽しそうに笑って、もう私たちの心配はいらなそうだった。
そこから滞在するホテルまで送ってもらい、おじさん発足のナイアガラツアーはこれにて終了となる。
「レノックス社長、クリス、今日は本当にありがとうございました」