離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
 〝彼の部屋〟〝家〟という面影は無くなり、ふたりのと住まいと化していた。

 ちなみに借りていたゲストルームは、私が来る前の姿に戻っている。

「またそれを見ていたのか……」

 再びアルバムに視線を落とそうとしたとき、ベットが軋み手元に影がかかる。
 顔を上げると、飽きれた顔のお風呂上がりの色っぽい智秋さんがいる。
 
 今日は、明日からの予定もあって、ふたりとも早い時間に仕事が終わった。
 宅配サービスで頼んでいた食材で協力して夕食の支度をし、仕事を残していた彼に先に入浴を進められた。上がってから、寝室で明日からの旅行のスーツケースの中身をチェックしていたところ、クローゼットに大切に保管していた、写真嫌いの彼の拒否を振り切って式場に作成してもらったアルバムが視界に入る。大事な宝物だ。視界に入れば見たくなるのは仕方ないし、そして、手に取って眺めたくなるのは仕方ないと思うのだけど……?

 ……ちなみに、二日に一度くらいの頻度で見ている。

「何度見てもとっても素敵で……見るたびに幸せな気持ちになるんです」
 
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