離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
「ありがとう、桜さん」
しゃがみ込んで目線を合わせると同時に、
そっと腕に抱きしめられ、なんだか泣きそうになってしまった。
子供を授かったこともそうだけど、大好きな人と、同じ喜びを、同じ分だけ共有できる。
ソレって簡単なようで、なかなか難しいことだと思うの。
「私の方こそ、ありがとう、智秋さん」
しっかり体温を感じ合ったあと、そっと触れ合う唇同士。
それから検査薬を片し、落ちていた智秋さんのビジネスバッグを手にして、リビングに促す。
「早いうちに、病院行って確かめないとですね、ドキドキする……」
「予約しておくので、週末、俺も行きます」
「……え? でもお仕事じゃ――」
「俺がそうしたいんです……自分でも驚くくらい、浮かれてる……」