離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜

「経営会議のときですか……俺が会長に捕まっている隙にいなくなったと思ったら、そっちで油を売っていたとは」

 ボスにも厳しい姿勢も相変わらずだ。

「明日よく言い聞かせねば」

 と言い、何か考えているふうなので、永斗社長が気の毒になって慌てて首を振った。

「あっ、油なんてとんでもない……私がいるのを見かけて、挨拶に来てくださった感じで――」

「そういうのを〝油を売っている〟というんです」

 ……永斗社長には特に手厳しい。
 (藤森さんにもだけど)

 でも幼馴染という関係上、私の中ではそれは愛情表現なのだと思っている。

 だって、永斗社長の前での智秋さんは少し雰囲気が柔らかくて、表情も豊か……に見える。

「赤ちゃん生まれるの楽しみだねって、言ってくださったんですよ?」

 そう言うと、やっぱりまんざらでもないのか、口元がゆるくカーブを描く。

「あとは……そう。すごく、この子の性別が気になっているようでした」
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