離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜


 ――どうやら智秋さんは、永斗社長と同じくらい、もしかしたらそれ以上に……
 
「なんですか? 永斗さんの意見に賛成だとか?」
 私の視線を勘違いした智秋さんが、ずずいと顔を近づけて来た。

 だけどその目線は、ちょっと不満そうなのにそれ以上に甘い。

「ふふ、ごめんなさい。そうじゃないけれど……〝そうなったら素敵ですね……って永斗社長に言っちゃいました〟」

 だって、智秋さんにとって大事な人の子だ。

 智秋さんの血を分ける私たちの子も、きっとその子のことを大事に思うに違いないと思うから。

「勝手に言ってくれて、困る人ですね、あなたって人は――」
「――んっ」

 唇に触れる温もりは今夜も優しい。

 ちょっとだけもどかしく思うその口付けに酔いしれながら、
 また社内ではビックリする人が続出しそうだ。
 なんて、思わず口元が綻んでしまったのだった。 
 

 今夜も私たちは、我が子の成長を喜び合いながら、未来を語り合う――




   その2 END



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