離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜

 産後もこれと言った大きな問題もなく、順調だった。 
 育児に関しては初めてで、さすがの千秋さんもあたふたすることはあった。だが、二人ともそれ以上に楽しんでいたと思う。


『千秋さん、千秋さん! 今日、芽依が初めて寝返りを成功して――』
『動画は? 撮影してる?』


 芽依がひとつできることに声を上げて喜びあって。


『芽依はあなたに似て、よく笑いますね。ころころ表情が変わって……将来が心配だ』
『それはつまり、〝可愛い〟……ってことですか?』

『ふふっ……秘密です』


 無邪気な笑顔を見ては心が癒されて。


『……最近、朝見送りができなくて、すみません』
『何でそんな泣きそうな顔しているの――おいで』


 心が不安定で苦しくなったときには、千秋さんにひたすら抱きしめもらった。


『おい國井、復帰はいいが、くれぐれも無理すんなよ?』


 二歳になる頃に、職場に復帰して。


『芽依の誕生月には、家族で旅行をしませんか?』
『行きたいです!』


 休みの日には、三人でいろんなところへ出かけて。


『最近、あなたが不足して、そろそろ限界なんですが――』


 たまにお互いの実家に手を借りて息抜きしたり。

 成長を喜んで。悩んで。笑って……

 
 ――あっという間の四年間だった。


 
< 66 / 66 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:40

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
表紙を見る
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop