〜秘書室の悪魔とお見合いしたら〜after storyハネムーン編〜
 甘い囁きとともにペロリと耳を舐められて、迷いが打ち砕かれた。

「明日から思う存分一緒にいられるというのに馬鹿な男でしょう……でも、そうしたのは他でもないあなただから、ちゃんと責任取ってくれないと困る――」
 
 そのまま耳に触れていた舌が、中に入ってきて、くちゅくちゅ淫らな音が鼓膜を支配する。
 お腹の奥が熱を持ちはじめ、私の中の官能がじわじわと呼び覚まされていく。
 
 もとより、大好きな智秋さんに求められて、嬉しくないわけがないのに。
 彼の本音に小さな笑みがこぼれた。

「ふふ、ダメなわけない……明日から旅行なので、手加減してくれるなら」 
「要望に沿えるかは分からないが……我慢できそうにはない……」
 
 眼鏡をはずすと同時に、長い睫毛が近づいてきて、唇同士が触れ合う。触れ合うと同時にこじ開けられ、無防備だった舌に吸い付いて、根本から絡め取られた。
 
「ふぁ……んぅ――」
 
 考える間もなく、いつも墜ちていくの――
 
 ふたりでキスをしながらパジャマを脱がし合い……ふたりベットに沈み込んだ。

 ――私たちは、明日から三泊五日のハネムーンに行く予定だ。

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