【改訂版】四国州

【南海道電力社長暗殺事件】

202A年の７月の最終土曜日の昼過ぎであった。

ところ変わって、新居東区内にあるゴルフ場にて…

この日、南海道電力の社長は全国の電力会社の社長さんが集まる会合に出席するために大阪へ行く予定だった。

社長が『身体がしんどいから療養《りょうよう》したい…』と先方さまに伝えた。

このため、副社長が代理で会合に出席した。

先方さんに病気と言うた社長は、区内にあるやくざ組織・日名川会の親分と接待ゴルフに出かけた。

事件は、ゴルフ場から区内のナイトクラブへ向かっていた時に発生した。

社長と親分が乗っている黒のアリストがゴルフ場から出発した。

車は、松山自動車道の新居浜インターの近くの交差点から国道11号バイパスを経由して市街地へ向かった。

その時であった。

派手な色のオープンカー２台が社長と親分が乗っているアリストに接近した。

オープンカーに乗っているサングラスの男が手榴弾のピンを外したあと社長と親分が乗っている車に投げつけた。

(ドカーン!!ドカーン!!)

社長と親分が乗っている車が大爆発を起したあとこっぱみじんに大破した。

その頃であった。

オレは区内にあるカラオケ喫茶から出たあと車に乗って事務所へ帰る途中だった。

オレが運転している車は、新居浜インターへ向かう国道11号バイパスに入ったばかりだった。

この時、オレは事件の現場に遭遇した。

南海道電力社長とやくざの親分が乗っていた車が恐ろしい黒煙《けむり》をあげて燃えていた。

オレが現場に到着した時であった。

旧愛媛県警時代にオレの部下だったナベこと真鍋刑事とアキこと秋川刑事と再会した。

「巡査長、おひさしぶりです。」
「巡査長、お元気でしたか？」
「待っよ…オレは巡査長じゃなくて探偵だよ…」
「そうは言っても…」
「そんなことよりも、一体何が起こった!?」
「南海道電力の社長と日名川会の会長が乗ってた車が、何者かに手榴弾《バクダン》を投げつけたようです。」
「なんや!?南海道電力の社長が殺された!?」
「ええ。」
「それはどういうことだ!?」
「詳しいことは…よくわかりまへん…」
「わかりまへんじゃねえだろ!!」
「分かってんねん…巡査…いえ、達雄さんだったらできると思ってお願いをしようと思っていたのです…」

オレは、ナベから『南海道電力の社長が日名川会の親分と交遊関係があった…企業と組織がどのようにつながっていたのかを調べてほしい…』と頼まれた。

その夜おそくのことであった。

ところ変わって、ＪＲ伊予三島駅の近くにある磯原さんの息子夫婦が経営している床屋にて…

閉店した店内で、オレと磯原さんはこんな会話をした。

「殺された南海道電力の社長がやくざ組織と交遊関係があったって？」
「それを調べてくれとアキから頼まれた…南海道電力の社長が病気をだしにゴルフ三昧のち女三昧をしていた…そのあげくに爆弾でふっとばされた…あの社長はホンマにバチが当りや。」
「まったくその通りだ。」
「ビルジャック事件で亡くなった常務全員もやくざにイソンしていたからますますはぐいたらしいワ!!」
「ああ、そのとおりだ…それともう一つ話があるけど…きょうのニュースで、西四国市（内子と大洲と八幡浜と伊方町と西予市を合わせた地域）の住民グループたちが南海道電力の松山支店の前で座り込みをしたと言うニュースを聞いた…」
「西四国市の住民グループたちが座り込みをした…」
「伊方原発の再稼働に反対するための抗議活動だよ…今回の事件とは直接関係はないけど…南海道電力は企業自体がホーカイしたのだよ。」

オレは『なんとも言えない…』と言うたあと深いため息をついた。