俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい


「お先にどうぞ」

ジトっとした目で隣に並ぶ大地を見上げた。

「別にいいだろ。ほれ」

グイっと肩を寄せられた。
どうやらすれ違う人とぶつかりそうになった私をよかしてくれたようだ。


「あ、ありがとう」

「前向いて歩けよ。相変わらずだな」

「今一瞬横見ただけですー。ぶつかった事なんてありませーん」

「はいはい。お前こないだ、何もないところで躓いてたろ」

「んな⁈ 見てたの?」

「バッチリな」

「もう! 誰にも言ってないでしょうね?」

「言わねぇよ、わざわざ。にしてもお前、外ではちゃんとしてんのな」

ニタニタと私を見下ろす。
今日の私は、ブラックのシアー素材のトップスにこれまたブラックのワイドバギーパンツを合わせている。
ヘアスタイルは、ワインレッドのカラーをのせてロングのレイヤーカットだ。
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