俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
かと言って、前の時みたいに家にいる時まで気を使っているのも疲れるし。
面倒くさい。

大好きな塩辛やスルメを我慢してさ。
思い出しただけで、バカみたいだ。

あんなのは私じゃない。

誰か彼氏ねぇ…

「ねぇ」

「ん?」

「大地はさ、引かないの?」

「なにを?」

「私の、家での姿見て」

「別に。どっちも美空だっつったろ。今さら引かねぇよ」

「ふーん。ふふふ! おかしーよ大地」

引かないんだ。
珍しい人もいるもんだな。

「ああ。俺もおかしいとは思ってる」

「なにそれー!」

そう言ってバーンと叩こうとしたら、キャッチされた。

「確保。すーぐ叩く。捕まえとくわ」

そのまま手を繋がれた。
ドキッとしてしまう。
繋ぎたいとは思ったけど、本当に繋ぐ事になるとは…

まずい。なんか、心臓が早い。
慌てて、窓の外に顔を向けた。
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