俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「ちと、混んでんな」

繋いだ方の手の指を少し動かしながら大地が話す。

「帰宅ラッシュっすね」

なんか変な話し方になってしまった。

「そっすね」

肩を揺らして笑っている。

「ねぇ! 笑いすぎー」

なんだか私も面白くなって笑ってしまう。

「夜飯楽しみだわ」

「美味しすぎて他の食べれなくなるかもよ?」

「それなら一生美空の飯だけ食うから大丈夫」

「はいはい」

まただよ。
どういう意味なわけ?
ったく、軽くそういう事言うなっつーの。
本気にしたらどうすんのよ。
まったくもう!

ギィーっと繋いだ手を力いっぱい握ってやった。

すると、ギィーっとやり返される。

「いたーーい!」

めっちゃ叫ぶ。

「うるっさ!」

そしてモニモニっとしたあと、指でごめんねって言うみたいにスリスリされた。

「ねぇ。なんのプレイなのこれ」

「ふっは! プレイってなんだよ」

そんなプレイをしていれば、いつの間にかマンションに着いたのだった。
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