俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
惚れた女との買い物がこんなに楽しいものだと思わなかった。

似合いそうな服を選べば、あいつもすぐに気に入ってくれて。
受け入れられたようでそれだけで嬉しくなる。

そして俺の服も選んでもらって。

試着をする。
美空の見立ては完璧だった。
なのに、自分を褒めてばかりで絶対俺を褒めない。
もうわざととしか思えない。
面白すぎるだろ。

帰り道、まじまじと見られたかと思えば、くりくりの綺麗な目で俺を見つめ、真っ直ぐにカッコいいと言ってくれた。

今⁈ なんで急に今⁈
あんなに褒めてくれなかったのに。

不意打ちすぎて、柄にもなく赤面したのがわかり慌てて顔をそらした。
破壊力がハンパねぇ。

ヤベェわ。
本物の小悪魔だコイツは。
しかも無意識なやつ。

普段からカッコいいなんてしょっちゅうそこら辺から聞こえてくるし、店でも散々言われるがいちいち照れるなんて事はない。

好きな美空から言われて初めて俺にとって意味のある言葉に変わる。

はぁ。
めちゃくちゃに抱きたい気分だ。
隙間がないほど愛し合いたい。
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