俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
そして、再び美空の部屋に入れば玄関までいい匂いがしていた。

うまそ。

「あ、大地。おかえりなさーい」

おかえりって…
美空は無意識の言葉だろうが、今の俺にはとても特別な響きだ。

「ただいま」

とか言ってみる。
ままごとじゃねぇんだからよ。

美空は微笑んでテーブルに揚げたての唐揚げを運んでいる。
ハンバーグもちゃんと作ってくれていた。

しかもめっちゃ美味そう。

この短時間で作れんの?
急に女子力高めじゃね?

あんなすっからかんの冷蔵庫みたら、料理はあまりしないのだろうと思っていた。

意外すぎる。
なんなの本当に。
たまんねぇんだけど。

「出来たよ! 食べよ!」

「お、おう。さんきゅ。手伝えなくて悪いな」
< 111 / 268 >

この作品をシェア

pagetop