俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
洗い物も終わり、食器を拭いていれば美空が見慣れたすっぴんにキャラクターのヘアバンドを付けて瓶底メガネで戻ってきた。
今日は、垂れ耳のついた犬のヘアバンドだ。
だから何個あんだよって。

なんかもう俺、これ見てもなんも思わねぇわ。
なんなら妙に安心する感あるわー。
かわいい。
抱きしめたい。
キスしたい。

「ありがと! 大地も飲む?」

「んじゃもらおうかな」

美空は拭き終わった食器を棚にしまうと冷蔵庫からビールと塩辛を出した。

とりあえずプシュっとその場で開けて立ったまま乾杯する。

「はぁーうま」

相変わらずいい飲みっぷりだ。
改めて美空のカラーを見る。
うん。派手なオレンジが似合ってる。

「綺麗に染まったな」

「うん! やっぱり上手だよね大地」

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