俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
「おい、その手離せ」


美空はすぐにその男から離れて俺を驚いた顔で見た。


「ははは!」

男は笑い出す。
なんだコイツふざけてんのか?

「コイツ最高だろ?」

そう言って美空の肩に腕を回す。

「触んな」

俺はすぐにその手を振り解き美空を背中に隠した。
並ぶと俺と同じくらいの身長だ。

「お前、どうせ美空の見た目とかに惚れたんじゃねぇの? あっちはどうだった? もうしたか?」

何言ってんだコイツ。
最低な元カレ野郎か?

「ふざけんな。テメェと一緒にすんな。お前か? 美空の事傷つけたのは。見た目がなんだ? バカ言ってんな。美空が許しても俺が許さねぇぞ。二度と近づくんじゃねぇ」

男は一瞬目を開いてそして笑った。

「ははは!」

「おい。何笑ってんだよ」

「合格」

は?

「丈慈! こんのバカ!」

すると後ろから今まで黙っていた美空が怒鳴りながら出てきて、男の頭をポカポカ叩いた。

「ははは! わりーわりー」

丈慈という男は、美空に叩かれてんのに笑いながら謝っている。
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