俺様な彼は愛しい彼女を甘やかしたい
俺は車が見えなくなった瞬間、美空を抱き寄せた。

「よかった…」

「大地?」

「焦ったわー」

美空は俺のだ。
指一本触れられるのも嫌だと思った。
いとこで良かった。

「ご、ごめんね?」

「いとこかよ。なにあれ。イケメンすぎだろ」

「そう? 大地の方がカッコいいよ?」

なんなのもう。
こんなところでかわいい事を言うんじゃないよ。

「俺、合格?」

「当たり前!」

「まぁ、不合格って言われても離れないけどな」

そうなったら合格するまで、努力するのみだ。
こう見えて、頑張れる男なんで。

「ふふふ。今度、私の兄の大河も紹介させて?丈慈みたいにちょーっとうるさいけど、大地なら大丈夫だから。ていうか、今度みんな紹介する」

この感じからすると兄貴絶対シスコン系だな。おっけ。

「そだな。紹介して。俺も挨拶したいし」

「ありがと! それじゃ、帰ろっか」

「ああ。帰ろう」

そうして、俺たちは仲良くマンションへ入った。
< 153 / 268 >

この作品をシェア

pagetop